<2016年6月22日リリース>
1.Into The Sound
2.Don't Think, Feel
3.Vampire
4. Moonlight
5. ネオンチェイサー
6. エンドロール
7. Around The World
Awesome City Club史上、最もカラフルなサウンドメイキング。前作では、“Lullaby for TOKYO CITY”のようなスローなダンスミュージックが象徴的だったが、最新作“Awesome City Tracks 3”は、まさに“Don’t Think, Feel”といった、文字通りストレートなダンスアルバム。「僕らのやってることって、サウンドと言葉が一緒のものだし、言葉でちゃんと人の心を揺さぶれるようになりたいなって。心も躍るし体も踊れる、本当のダンスミュージックを目指そうと思いました。」というatagiの発言が、そうした変化をはっきりと示している。各曲の随所に「踊れ!」「ダンシング!」といった歌詞を散りばめることで、楽曲を聴いていながらも、ライブハウスでオーディエンスとしてノッているような、不思議な感覚に陥る作品だ。
バンドのジャケット写真も、これまでの大原大次郎氏の作品から一新し、新たにYOSHIROTTEN氏が手掛けている。クリスタルが反射する美しいジャケット写真は、まさに作品全体の煌くポップネスを象徴しており、それに合わせてアーティスト写真も明るい1枚に変更。これまでビジュアル面では「夜」のイメージを鮮烈に与えていたAwesome City Clubが、新たに「太陽」のような煌くイメージを創出した瞬間でもある。例えば、ダークでミニマムなエレクトロサウンドが持ち味の新鋭=D.A.N.とは対極にありつつも、相乗効果で互いのバンドの音楽性を高め合えるような、今後のインディシーンの盛り上がりにも期待していきたい。
また、「非常にバンド感が出てきました。ワイルドになってきました!」とライブで話していたatagi。確かに先日のCUT UPでの彼らのライブは躍動感に溢れていたし、PORINのボーカリストとしての圧倒的な存在感にも引き込まれた。恵比寿リキッドルームを簡単にSold Outさせる人気ぶりで、10年代シティポップの中心に居座りながらも、簡単にその柵を飛び越えてしまいそうな跳躍力を、今のAwesome City Clubは持ち合わせている。META FIVEのアルバムリリースが印象的だったように、80’sを彷彿とさせるダンスミュージックの流れがある中で、そのシーンの中核は間違いなくAwesome City Clubが担っている。個人的には、ジャケット写真を「暗」から「明」へと同じように変化させたThe 1975の2ndアルバムのように、実験精神溢れながらも、深みのあるアルバムづくりにトライするのではないか….と今後の彼らへの淡い期待を寄せている次第である。
Written by 信太卓実
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